利用者の幸せのために
障害者福祉の世界に足を踏み入れたのは37歳。前職とは全く異なる分野となったが、障害者の就労移行支援から職場への定着を目指し、「利用者が幸せに働けること」を大前提に、利用者に寄り添い、共に一般就労への道を模索している。
民間企業を経て、ボランティア活動をきっかけとして2004年に社会福祉法人南風荘に再就職。障害者の就労移行支援には2008年から携わり、同法人が昨年12月に開設した現施設では、新たな気持ちで臨んでいる。
多くの障害者と接する中で「偏見やいじめといった負の経験から、本来持っている力を出し切れていない」と感じている。支援員として重視するのは、利用者が持つ能力を引き出し、それぞれの特性を見極めることだ。
雇用のきっかけや考え方は企業によって異なる。職場への定着には、利用者が職場でパフォーマンスを発揮するための配慮や工夫を企業に伝えることも大事な仕事で、製造業で培った経験も生かせているという。
訓練を重ねることで変わってくる利用者の意識の変化に、やりがいを感じる。「スタッフは若いながらも温かく熱い気持ちで利用者に接している」と、施設の立ち上げから携わる職員の頑張りにも感謝している。