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竜王山でアサギマダラの産卵確認

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〝旅するチョウ〟として知られるアサギマダラの産卵が、飛来地の竜王山で確認された。南下途中での産卵は珍しく、同山で10年間にわたって観察を続ける自然観察指導員の嶋田紀和さんは「初めての確認で、予想外」と驚いている。既に幼虫となっている個体もあるが、今後の気温では羽化が困難なため、さなぎの段階で保温装置に入れて羽化を試みたいという。

嶋田さんは10月10日に産卵シーンに遭遇。同山には幼虫の食草となるガガイモ科のイケマが数カ所で自生しており、その葉の裏で産卵していた。卵の大きさは2㍉ほどで、幼虫は3㌢前後。1枚の葉に一つの卵を産み、全部で20個ほどと推測している。

アサギマダラは南下後の台湾や南西諸島、北上後の東北地方や高地で産卵するため、渡りの中継地となる竜王山での産卵は極めてまれ。嶋田さんは「飛来する個体が少なくなってきたが、新たな楽しみを与えてくれた」と喜んでいる。

産卵から10日前後でふ化し、幼虫の状態で20日間ほど脱皮を繰り返してさなぎとなった後、さらに約20日後に羽化すると言われている。気温が19度を下回ると活動に支障が生じるため、自然での羽化は困難が予想されている。

今後はさなぎを確認でき次第、保温装置に移して本山公民館で羽化までの観察を続ける予定。「気温に敏感なチョウだけに試してみないと分からない」と嶋田さん。羽化に成功したとしても、その後の南下行も難しそうという。


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