宇部市主催の第3回オープンデータアプリコンテストの公開プレゼンテーションが14日、ときわ湖水ホールで開かれた。市内外の高校生、大学生、企業などの5組が開発したスマートフォン用アプリを発表。研究の成果をアピールし、地域課題の解決への糸口を示した。最優秀賞には、山口大と宇部高専の合同チーム「HiHI」による環境保全アプリ「みんなで育てるゴミ分別案内ボット」が輝いた。
コンテストのテーマは健康づくりや地域の魅力創出。行政と市民が力を合わせ、宇部の活性化につなげることを目的としている。
HiHI(小笠原奈々、田村亮弥共同代表)は、無料通信アプリLINE(ライン)を使ったごみ分別検索アプリを公開。ボットと呼ばれるプログラムに「机の捨て方は」などと聞くと、答えが返ってくるという仕組み。何を処分したいか具体的に書くことで、的確な回答が得られる。両代表は「他の利用者が情報を追加することもできる。まさに人が育てるアプリ」と語った。
慶進高情報処理部(渡邉翔太部長)は、市内の飲食店の検索に役立つアプリ「宇部グルメ」を発表した。半径1㌔圏内の飲食店の数が下関、山口と比較して、1位だったことに着目。市の活性化につながる〝新たな武器〟になるのではと取り組んだ。アプリはGPS(全地球測位システム)を活用し、自分が今いる位置から直近の店を探し出す。気になる店舗を見つけるとすぐに情報が分かる仕組みになっている。部員らは「紹介できる店にはすべて足を運び、写真や動画を撮影した。イメージも湧きやすいし、地域交流にもつながる」と話した。
プレゼン後の質疑では、5人の審査員から「開発は大変だったか」「他の同様アプリとの差別化は」などといった質問が続出。部員らが回答に応じた。
講演会もあり、内閣官房IT総合戦略室参事官補佐の植田光さん、オープンデータ伝道師の牛島清豪さんがそれぞれ「政府におけるオープンデータの取り組み」「データ解放から始まる地域の未来」と題して話した。