農家の末永光正さん(63)=山口市仁保中郷=が、移動販売車でレストラン「仁保の森カフェ YAEMON3(やえもんさん)」を始める。仁保の野菜を用いた料理を提供し、農家をはじめとする地元のお年寄りが活躍できる場を目指している。漬物などの製造・販売を手掛ける創生工房にほヴィレッジ(中郷)を拠点に、ガスコンロ、流し台、冷蔵庫などの調理設備を荷台に整えたトラックで運営する。
主力メニューは、仁保の野菜をふんだんに用いた雑炊。年明けから試作を重ね、下小鯖でラーメン店を営む福山秀喜さん(66)の助言も受けながら、鶏がらのだし汁を完成させた。具材はダイコン、サトイモ、タマネギ、ニンジンなどで、事前に焼き上げるのがポイント。この他、地域のお年寄りたちに調理設備を貸し出し、手作り料理などを提供してもらうことも考えている。末永さんは仁保の出身で、3年前まで山口商工会議所に勤務していた。昨年、農家を押し出したビジネスプランが「県ぶちええソーシャルビジネスプランコンテスト」の奨励賞に選ばれ、立ち上げ資金の援助を受けられることに。店名は300年前の「仁保七義民」の一人で、先祖の末永弥右衛門から取ったという。
16日には、関係者を招いて試食会が開かれた。知恵や技術を生かせる場所をつくり、お年寄りを元気にしたいと話す末永さん。「核家族の子どもたちが、おじいちゃんやおばあちゃんとのふれあいを楽しめる場所にもなれば」と思いを語った。オープンは5月12日を予定。以降は毎週水、土、日曜日の午前11時~午後2時に営業する。