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山陽オートレース場をパラサイクリングの“聖地”に

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 山陽オートレース場を2020年の東京パラリンピックに向けた日本代表チームのキャンプ地とした日本パラサイクリング連盟(権丈泰巳理事長)。レベルアップに適した走路と隣接する宿舎といった好環境に加え、山陽小野田市の支援体制も大きな選定理由となった。今後は市内での世界大会や国際的なキャンプの誘致も視野に入れているという。
 パラサイクリングは国際自転車連合の競技規則に沿って行われる。障害の種類と使用する自転車で四つのクラスに分けられ、さらに障害の度合いで分類される。障害の種類には大まかに四肢障害、脳性まひ、視覚障害、下半身不随がある。
同連盟は2015年から山陽オートを練習合宿地として使用。公道とは違って安全が保たれている上、競輪場の走路よりも傾斜が緩やかで凹凸がなく、スリップ処理が施されたカーブでタイヤのグリップ力が増すという利点もある。
「公道での練習は信号機も含めてさまざまな制約があるが、走路ではブレーキをかける必要がなく、長時間の継続した練習ができる」と権丈理事長。スピードを増す練習に適し、練習を見渡せる環境や宿舎の使いやすさも高く評価している。
 県道路交通規則の一部改正に伴い、4月から県内でも2人乗りのタンデム自転車の公道走行が可能になったことも大きい。タンデムは視覚障害を持つ選手と健常選手が乗る自転車で、今後は気分転換を兼ねた公道での練習もできるようになった。
 市は山陽オートのレース非開催日の有効活用として練習場所を提供。16年度からは本格的に支援に取り組み、障害者スポーツへの理解や認知度が高まるよう努めてきた。山陽オートを運営する日本写真判定も支援や協力を続けている。
山陽オートでは近年、知的障害者スポーツを支援するスペシャルオリンピックス日本・山口の自転車競技会や障害の有無に関係なく共生社会を目指す「あいサポート運動」のスポーツフェスティバルが開かれ、障害者スポーツの拠点としても期待が寄せられている。
全国の将来性豊かなアスリートを発掘する日本体育協会の「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」ではパラサイクリングの拠点施設にも選ばれるなど、都市間競争の上でも他市にはない新たな魅力の一つとなりつつある。
そんな中、権丈理事長は山陽オートで世界規模の大会を開催したいと言う。現在は欧州での開催が多いが、他国でも競技人口の増加などを視野に世界各地で開催したいという思いがあり、「手を挙げれば実現する可能性はある」と話す。
コースは山陽オートの走路を発着点とする周辺地域の周回コースを想定。外国人選手を含めた国際的な強化キャンプの誘致も青写真に描いている。実現すれば国内における〝パラサイクリングの聖地〟として、市の大きな財産となる。

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