山口大初代学長で、地球物理学者として多大な功績を残した故松山基範さんの書簡が1日、送付先の遺族である高橋信夫さん(78)=山口市宮野下=から同大に寄贈された。
贈呈式では、岡正朗学長が「ご遺族の厚意に心からお礼申し上げたい。大切にして後世に伝えたい」と謝辞。岡学長に書簡を手渡した高橋さんは「山口大とは縁も深い。教育の資料として活用して」と伝えた。
同大開学直前の1949年5月、高橋さんの父で同大文理学部(当時)の教員を務めた故高橋英太郎さんに送られた書簡。学長就任の内定報告に加えて、今後の発展に向けた意気込みなども語られている。
「長年自宅に飾られていたが、最近になって松山先生からの書簡だと知った」と高橋さん。同大の卒業生である弟とも話し合い、保存するために同大への寄贈を決めたという。
松山さんは、地球のN極とS極が入れ替わる〝地球磁場の逆転〟を29年に初めて発見した。その功績にちなみ、没後の60年代には地質時代の最後の逆磁極期が「松山逆磁極期」と命名された。
同大理学部では、松山さん生直筆のフィールドノートや地磁気逆転について触れた高校地学の教科書、今回寄贈された書簡のレプリカなどを展示している。7月31日まで。
問い合わせは同大(電話083―933―5244)へ。