宇部市は、認知症の人やその家族らが気軽に集い、交流できる「認知症カフェ」の登録制度を創設した。登録したカフェの情報を、市のホームページで掲載するなど広報、周知活動を支援し、住み慣れた地域で、誰もが健やかに暮らせるまちづくりを進めていく。
認知症は、脳の病気によって日常生活に支障が生じる程度にまで、記憶や認知機能が低下した状態を指す。市内の有病者は約8500人と推計され、将来発症する可能性がある軽度認知障害(MCI)を含めると、高齢者の3割に当たる約1万6000人が、認知症または予備群になる。
カフェは、本人や家族が気軽に立ち寄れる場所として全国各地で開設されている。情報共有や交流の場所としてはもちろん、介護や医療の専門職、知識豊富なスタッフがいるため、家族にとっては身近な相談場所にもなる。市では3月に策定した第7期高齢者福祉計画で、認知症高齢者支援を重点施策に掲げ、2021年度末までに全校区でのカフェ整備を目標に掲げる。
登録を受け付けるカフェの実施主体は、社会福祉法人、地域住民団体、NPO法人、介護事業所、福祉施設、医療機関、ボランティアなど。医療、看護、介護職など専門職への相談体制があり、1回当たりおおむね2時間以上開設すること。内容は、認知症の相談、本人や家族同士の交流、家族の介護負担の軽減、症状の悪化予防、病気の啓発。登録されたカフェは、市のホームページなどで周知し、利用者の増加につなげる。
1日に制度を創設し、27日現在で登録しているのは、ライムカフェ(中宇部)、カフェ夏みかん(昭和町2丁目)、カフェケアローソン(中央町1丁目)、生協オレンジカフェにじ(海南町)の4カ所。市のホームページで活動日時、参加費、内容、連絡先などを紹介している。
制度に関する問い合わせは、市高齢者総合支援課(電話34-8303)へ。