埴生中学校区(埴生小・中、津布田小)の子どもたちが、商品づくりを通じて「起業」に取り組んでいる。地元事業者のアドバイスを得ながら完成させた品物を、23日に埴生公民館で開かれる「埴生ふれあい文化祭」などで販売する。
国の起業体験推進事業の実施指定を受けて、学校単位で木工品や食品の製作、花の苗の栽培などを進めてきた。地元事業者を講師に迎え、商品を形にするまでの過程を学んだり、多くの人に購入してもらうPR方法を考えたりした。
大工の青木保さん(73)=郡渡場=からプランター枠づくりを教わる埴生中(吉水多加志校長)の1年生32人は8日、50個の仕上げ加工を実施。作業時には、美祢市で建設業に携わる夫婦のサポートも受けた。
過去3回の講座で作った縦17㌢、横27㌢の木枠に、防腐・防虫剤をはけで塗装し、木目が浮かび上がるまでバーナーで表面を焦がした。青木さんの助言を参考に、色むらが出ないように注意した。
プランターは、2年生が埴生干拓地のシステム農場「花の海」の協力で育てたパンジーやビオラの鉢をはめこんで販売する。比知黒愛華さん(1年)は「きれいな仕上がりにこだわった。購入した人に喜んでもらいたい」と話した。
青木さんは「木のぬくもりを感じてもらえるように作業をしており、生徒にもその魅力を知ってもらえたはず。この仕事に興味を持ってもらえたら」と願っていた。
同文化祭は23日午前9時半から。埴生中はプランターのほか、鍋敷きなども出品する。埴生小は西海食品(藤田悟社長、津布田)の協力で完成させた天ぷら2種類をメインに、ヘチマ製品、サツマイモなどを子どもたちが販売する。
津布田小は11日に開く学習発表会で、木製の本立て、写真立て、花の苗などを並べる。