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国内初のクロツラヘラサギ保護施設が完成

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絶滅危惧種の渡り鳥クロツラヘラサギの越冬地として知られる山口市阿知須のきらら浜自然観察公園(原田量介園長)に24日、傷を負ったクロツラヘラサギを保護する国内初の施設「日本クロツラヘラサギ保護・リハビリセンター」が開所した。

約8㌶の干潟北側に設置されたケージは幅20㍍、奥行き16㍍、高さ3㍍。同園の指定管理者NPO法人野鳥やまぐちが民間財団からの補助金を充てて完成させた。捕食の際に釣り糸や針が絡まってけがをするなどした傷病鳥を受け入れ、山口大獣医学部やときわ動物園、徳山動物園の獣医師らと連携して治療や、野生復帰に向けたリハビリを行う。

クロツラヘラサギはトキ科の水鳥で、黒い顔としゃもじのようなくちばしが特徴。朝鮮半島や中国東部などで繁殖し、越冬のために山口県や九州・沖縄に飛来する。

潮の干満に合わせてケージ内に海水が出入りするため、自然とほぼ同じ環境で生活できるのが最大の特徴。傷の経過を見て干潟に放鳥する。

現在は、朝鮮大学校(東京都)から借り入れた2羽のクロツラヘラサギを飼育中で、ケージの外から観察が可能。ケージに慣れた個体がいることで、これから受け入れる傷病鳥を安心させる狙いがあるという。

開所式には関係者ら約50人が出席した。原田園長は「クロツラヘラサギの保護だけでなく、環境問題や保全を考える輪が広がってほしい」と話していた。


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