農業経営の改善や地域農業の振興、活性化に優れた功績を挙げた経営者を表彰する全国優良経営体表彰の6次産業化部門で、山口市阿東徳佐下の「船方総合農場」が最高賞の農林水産大臣賞を、経営改善部門で宇部市小野の「農事組合法人ファーム17」が農林水産省経営局長賞に輝いた。最高賞の受賞は県内では初めて。
農林水産省などが2010年度から始めた表彰制度。経営改善、生産技術革新、6次産業化、販売革新、担い手づくりの計5部門に、各都道府県の農業団体などが推薦した58の経営体の中から選ばれた。
乳製品を中心に食材の生産から加工、販売までを手掛ける船方総合農場(坂本賢一社長)は、6次産業化の先駆けとなる経営体制の確立などが評価された。ファーム17(野村文雄代表理事)は、中山間地域における効率的な営農と地域づくりを一体的に行ったことなどが評価された。
坂本社長(53)と野村代表理事(66)が26日、県庁を訪れ、村岡嗣政知事に受賞を報告した。村岡知事は2人に記念品を手渡し「取り組みが地域や県全体に波及し、活動の輪が広がるよう期待したい」とあいさつ。坂本社長は「若者が農業に興味を持ってもらえるようなビジネスモデルの確立に取り組みたい」と抱負を述べ、野村代表は「地域の農地や農業を守るための活動を、地域一体で進め、次の担い手づくりにも力を入れていきたい」と話した。