自分らしく生きる手伝いを
大学時代にセーリングを通じて障害者と触れ合ったことが、福祉の分野に携わるきっかけだった。卒業後は精神障害者の就労施設で働きながら二つの国家資格を取得。「僕たちの仕事は、彼らが自分らしく生きるためのお手伝い」と言う。
小学生の頃から地元の海でヨットに親しんできた。高校から本格的にセーリングに取り組む中、障害者を招いた体験会で「ヨットに乗れることが当たり前ではない」と気付き、徐々に福祉への関心を高めていった。
防府市の精神障害者就労施設で働きながら専門学校に通い、精神保健福祉士の資格を取得。他施設を経て2009年からNPO法人ときわの工房ときわで働き始め、管理全般に携わる傍ら社会福祉士の資格も得た。
「精神障害を抱える人は自分の気持ちを伝えることが苦手な人が多い。彼らの気持ちをどれだけ酌み取れるか」。やみくもに支援するのではなく、できないことをできるようにサポートしていくことが福祉の役割という。
とことんまで利用者と向き合うが、理事長として職員に気を配る必要もある。職員と思いを共有し、組織を発展させることも大事な役割だ。そして、新たな施設を快く受け入れてくれた地域への思いも忘れない。