耐震と空調設備の改修工事のため、昨年4月から2年間の計画で休館している宇部市の俵田体育館。工事は順調に進んでおり、早ければ来年1月には、利用開始ができそうな見通しとなった。
28日までの3日間はアリーナに、輻(ふく)射式冷暖房装置のパネル設置工事が行われた。高さ215㌢、幅86~158㌢の3種類の大きさのパネル50枚が、扉と審判室の窓ガラス部分を除く壁に取り付けられた。
空調設備は工事前、換気する機能はあったが、エアコンは無かった。耐震工事に合わせ、夏の熱中症対策として実施。輻射式は、風を出さずに室内の温度を調整でき、県内の体育施設では初の導入。全体空調方式とは違い、輻射パネルを設置したアリーナのみの空調も可能で、電気代を軽減でき、温度むらも少ないのが特徴。色は視認性の良いこげ茶で統一。無風、一定温度で快適なスポーツ環境を実現するという。
今後もステージ部分に輻射式を設置。上部の観客席にも別型の空調を取り付け、必要に応じて全館の温度を一定にできるようにする。
耐震工事は、4月までに91カ所の新設壁の設置、46カ所の既存壁の補強、20カ所の柱への炭素繊維取り付けという主要工事は終了し、残す工事はあとわずか。14年度の耐震診断で0・185~0・440だったIs値(耐震指標)は、十分な耐震強度となる0・6に上昇し、国の基準を満たす。
総工費は約11億3800万円。工事区分のうち、建築主体は島田工務店・高橋建設・河野工務店JV、電気設備は鶴谷秀電社・新興電気JV、機械設備は三陽設備・シャープ設備JV、空調設備は中国産建・エコー設備管工JVが担っている。
市文化・スポーツ振興課では「工事は計画通りに進んでいる。進ちょく状況や開館時期は、ホームページでお知らせしたい」としている。
同体育館は、宇部興産が創業60周年記念事業の一環として市に建設費を寄付し、1959(昭和34)年7月に完成。鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の地下1階、地上3階建て、延べ床面積は約7784平方㍍。市民の主要な体育施設として、幅広い年代、種目に活用されている。
問い合わせは、同課(電話34-8628)へ。