東岐波小(坂本哲彦校長、645人)で23日、人権教育講演会があった。ウィルチェアーラグビー(車いすラグビー)チーム・福岡ダンデライオンのメンバー、工棟徹選手(41)=防府市=と、チームメート5人が来校。児童の代表が競技用車いすに乗ってタックルの衝撃を体験したり、デモ試合を観戦したりして、障害の有無にかかわらず、みんなでスポーツする楽しさに触れた。
ウィルチェアーラグビーは障害者スポーツの一つで、1チーム4人で競技。パイロンで区切られた敵陣のゴールラインまで、ボールをパスやドリブル、膝の上に置くなどして運び得点する。昨年のリオパラリンピックでは、日本が同競技で銅メダルを獲得し、認知度が上がった。
工棟選手は、防府市消防本部で4年間、消防士を務めたが、体を鍛えるために挑戦したトライアスロンで首の骨を折る事故に遭い、握力と歩行機能の障害を負った。その後リハビリを経て事務職として消防本部に復帰。趣味を探していた時、ウィルチェアーラグビーと出合い「再びスポーツする楽しさを実感できている。練習では障害者と健常者が同じ競技用車いすでプレーし、同じ条件で勝負できるところがいい」と語った。
続いて、各学年の代表者がタックルを体験。競技用車いすに乗って、選手の車いすに向かって行き、激しく衝突した。体が投げ出されそうな衝撃と金属がぶつかり合うものすごい音に、体験した子どもたちは驚いていた。選手によるデモ試合も行われ、迫力満点のプレーにくぎ付けになっていた。
タックルを体験した岡村環志君(6年)は、「簡単そうに見えたけど、操作は難しかった。タックルの衝撃にびっくり。選手の人はすごい」と話した。
工棟さんは「障害者でもいろんなことができる。みんなも多くのことに挑戦してほしい」とメッセージを送った。