宇部市内で先月28日から今月3日にかけて建物火災が2件発生し、1人が亡くなった。冬場は空気が乾燥し、暖房器具の使用が増えるため、火災の増加が危惧される。宇部・山陽小野田消防局では火気の取り扱いに注意を呼び掛けている。
同局によると、宇部と山陽小野田市で昨年1年間に発生した火災は55件。このうち建物火災は31件で死者は3人。今年は11月末までに61件と昨年を上回っており、建物火災も38件と増加。死者も2人出ている。
主な出火原因は、たばこ、たき火の不始末、コンロの火の消し忘れなどの人的要因。たばこは、火が完全に消える前にごみ箱に入れてしまい発火するケースがある。暖房器具の経年劣化による火災も発生している。
住宅用火災警報器の取り付けが義務化され10年がたつが、未設置の家庭や義務化自体を知らない人が多い。そのため同局予防課では、職員らが定期的に個人宅を訪問し、確認しているほか、取り付けも促している。
同課の木下篤志主任は「未然に防げた火災が後を絶たない。古くなった暖房器具は使わない、コンセントの周りのほこりを取り除く、家庭用消火器を準備するなどを徹底してほしい」と話している。