山口市周布町の美術工芸家、藤木律子さん(64)の個展「初夏の染展」は、8日から14日まで、中市町の山口井筒屋5階美術ギャラリーで開かれる。初夏を思わせる藍染めを中心とした衣類、インテリア用品など約50点を披露する。
藤木さんは京都市立芸術大美術学部の工芸科染織コースを卒業。27歳で山口市に転居し、伝統工芸から現代美術やインスタレーションまで多彩な表現を追究している。山口大教育学部の美術教育非常勤講師を12年間務めたほか、山口ふるさと伝承総合センターの講師としても活躍している。
1年4カ月ぶりとなる同店での作品展には、藤木さんの創作活動の原点でもある染色に絞って出品。徳島県産の藍を使って染め上げた絞り染めの大判ストール、ろうけつ染めの半袖Tシャツからコースター、タペストリーなど暮らしに密着した衣類、インテリア用品を並べる。いずれも一点物の近作で、このほか3カ月余りかけて制作した草木染めの卓布「王冠」「松乃青」、素描(すがき)のブラウスやパラソルも展示予定。
藤木さんは「ジャパンブルーともいわれる本物の藍の色合いを感じていただきたい。型染めも県内には制作者がほとんどおらず、この機会に見ていただければ」と話していた。
会期中無休。開場時間はいずれも午前10時~午後6時半(最終日は4時)で、藤木さんは毎日、午後から在廊予定。